以前NHKのテレビで、発達障害者のかたに生活術などを聞く番組を放送していました。
その中で30歳代ぐらいの発達障害の男性のお話が印象だったのですが、
大学生の時、居酒屋のバイト先で「空気を読め!」と先輩から怒鳴られ、
初めて、自分が空気を読めていないことに気がついたそうです。
その方は発達障害で、モノをどこに置いたかを忘れ、すぐにモノを無くしてしまうという特徴と、
空気が読めない、人の気持ちが分からない、という特徴があり、
それを克服するため、沢山ポケットの付いた携帯用のバッグを腰につけて持ち歩き、
その中に、携帯電話や鍵など必要なものをいつも常に身に着けるようにしたことで、なくし物を克服。
いつも「あれがない!」と困る生活から抜け出したそうです。
(これがホントに七つ道具を、身近に身に着けている感じで、
「便利そう」と思ったので、(笑)
私もポケットの付いた携帯バッグを身に着けてみたのですが、
私の場合、いつも身に着ける、というほうが重くてめんどくさく、やめました。(笑))
また、人間関係に関する本を多く読み、
空気が読めない、ということを、
人と話すときに自分なりのルールを決めることで克服。
そのルールで、女性と話すようにし、何人も諦めないで話していって、話し方を勉強し、アタック!
その中の一人の女性と結婚することが出来たそうです。
(スゴイ。)
今でも空気を読むことはできませんが、
空気が読めなくても、そのルールに従って話すことで、
だいたい7割ぐらいは場に沿った会話ができる、と話されていました。
本当にだいぶ昔の放送で、詳しい内容を忘れてしまったのですが、
その方の話に、人と会話するときは、3つのセリフを言っていればいい、というのがあり、
もう、ニュアンスでしか覚えていないのですが、
たしか「どうも」と、「ホンマホンマ」、「ありがとう」というような感じだったような気がします。
これ、実際に本当にこの三つのセリフしか言わない!というのではなく、
基本的に、この3つのセリフのニュアンスを使っていると、そつなく場を過ごせることが多い、ということですが、
まず、他人と会った時は「どうもどうも、こんにちは」てきな挨拶。
人と会って、なんとなく困った時にも「どうも」でやり過ごせる。(笑)
会話の途中には、「ホンマホンマ?」。
これ関西弁ですが、他の地方の言葉だと、「それでそれで?」とか。
なんとなく、そういうニュアンス的な言葉で相手からの会話を引き出したり、
「ホンマ!」(そうなの!)と相づちを打つ。
で、最後の別れ際は、「ありがとう」でしめる。
みたいなことで、かなりの会話が成り立ちそうな感じです。
その方法で、空気が読めない、人の気持ちが分かりづらいという特徴があっても、
女性と親しくなり、結婚することが出来たというお話でした。
以前(これもかなり昔)、ためしてガッテンで、
「変な人」と思われてしまうことを防ぐには、
相手の話に、相づちを打つことで、変な人と思われにくくなる、という放送を見たことがあり、
これもかなり、うろ覚えで、もはやニュアンスしか残っていませんが、
相手の話に合わせて、ひとつひとつ「そうなんですか」など、
きちんと「相づち」を打つ、反応を返すと、自然に見えやすい(変な人と思われにくい)という放送だった気がします。
今はAI(人工知能)が、人と会話し、人との共感を得て親しい気持ちにさせてくれる時代ですが、
人が会話の中で、何に親しみや幸せを感じるか、ということは、
ある程度、パターンで決まっているものなのかも。
高齢者の住む施設ホームに、AI(人工知能のロボット)をおき、
それと高齢者が会話すると、高齢者の方々が元気になるという放送も見たことがありますが、
天気の話や、相手の言ったことを、質問形式で返したりするようにプログラムされていて、それで人はロボットに親しみを持ち、人との大まかな会話が成り立つそうです。
空気が読めないからダメ、ではなく、
空気が読めないからこそ、どうすればいいのか考え、
こうすればいい、という知識を身に着けようと思って考えていくと、人間関係でもかなりの部分でスムーズな対応ができるようになるようです。
今は、「生きずらさ」などとも言われたりしますが、
発達障害や、発達障害でなくても、空気を読んでその場に合わせた言動や行動をなかなか取りづらいこともあります。
そういう時、
人の表情や、その場の状況から、人の気持ちを読む、という、
いわゆる「空気を読む」ということを、
今すぐ急にできるようになるのは難しいかもしれませんが、
周りの状況に合わせた、その場に相応しい、言動や行動が取れれば、
人はずいぶん過ごしやすくなるようで、いろいろな人がそれぞれに工夫しているのが分かります。
むか~し、聖子ちゃんとトシちゃんの漫才で、「どうも~」だけで会話が成り立つ、
というアイドル漫才のを見たことがあるのですが、
(アイドルって昔も、ほんと色々なことをしてました。なかなか面白かったです。)
人の話の雰囲気を大きくパターン化して考え、
こういう時には、こういうニュアンスのセリフ、と決めておくことで、
雑談なら、3つぐらいのセリフでも7~8割はいける、というようなこともあるかも。
周囲から浮かない、場にそぐった会話が出来るようになれば、
その雰囲気を自分でつかんで、
それが全くできない頃とくらべても、だいぶ過ごしやすくなるように思います。