日本とイタリア、まったく違う「お掃除」のモチベーションとやる気
昨日の記事(『お掃除に超便利な、ペンキ用の刷毛』)に書いたのですが、イタリア家庭のお掃除を見て、そのお掃除の徹底ぶりに驚いた私。
(テレビ番組 「世界の日本人妻は見た!」 イタリアのローマでマルコさんに嫁いだ日本人妻、淑美さん)
その番組を見て知った衝撃の事実。
イタリアの家の中は、多くのご家庭でかなりキレイに徹底したお掃除をしている。
家の中のインテリアの一つ一つにもこだわり、ドアノブ(持ち手)にまで、多くの種類を製品を備えた専門店などがある。
(実際多くのご家庭で、その家主の気に入ったドアノブ(持ち手)に付け替える。)
また服も、Tシャツ、ジーンズ、パンツ、靴下、にまでアイロンがけ。
日本でジーンズと靴下にアイロンかけている人、少数派だと思いますが、イタリアでは当たり前、みたいな感じでした。
番組で取り上げられたマルコさんと淑美さんの家もそうですが、スタジオにいたイタリア女性3人も徹底した掃除が常識、というような発言をしていて、小さなころから躾けられるようです。
で、気づいたのですが、
日本とイタリアでは、「お掃除」のモチベーションとやる気が全く違う、と思いました。
えー、ここからは、皆さんそれぞれでいろいろな分析があり、必ずしも私の書いていることが正解ということではなく、感じたこと、ということになります。
実は私はけっこうお掃除の本を読むのですが、
(もちろん日本の本。 イタリア語は分かりません。(笑))
そのほとんどに書いてあったのが、お掃除をしたら「運が良くなる」とか、「幸せになれる」系の話。
また、「あなたの部屋はあなた自身の姿」みたいな、ちょっと宗教や心、風水っぽい、「目に見えなくても繋がっている」系の考え方とか。
恋愛がうまくいく、お金が入る、頭がスッキリする、幸せになれる、みたいなことや、
現実的に時短になる、どこに何が入っているかはっきりすることで迷いもなく快適な生活が送れる、というようなメリット。
本当にいい話なのですが、何というか、
行動と、結果の間にワンクッションある。
行動してすぐ結果が分かるのではなく、しばらくしたら、効果があるかも、
ないかも、みたいな話。(笑)
これを読んだだけで、「今まで片づけられなかった人で、これからずっと片づけ続けられるようになれる人」(継続的にお掃除の「やる気」がアップするモチベーションがつく人)は意外に少ない気がします。
お掃除と運は本当に関係があって、正しいことを言っているようには思うのですが、
それを客観的に証明しようとすると、お掃除をして、お金が実際入ってきても偶然かもしれないし、毎日お掃除をしているのに、毎日お金が入ってくるわけではなかったりして、今いち関係性が不明確、証明が難しい。
これが日本人のお掃除する動機づけ(モチベーション)になる話なのだと思いました。
で、イタリア。
(行ったことありませんが。(笑))
イタリア人の特徴は、自分の服や身なりなどの外見のオシャレ、そして家の中は細部にわたってピカピカになるまでこだわってするのに、
公道になると灰皿ごとひっくり返して、多くの吸い殻をその場に捨てる。
(多分、平気。(笑))
ミカンの皮も紙くずも、まるで道がゴミ箱のように抵抗なくまき散らされている。
(世界遺産も家の前の道もゴミだらけ。)
理由を聞くと、「(道は)自分のじゃない」という意識があるようでした。
イタリア人には「自分」に関して、「信用される人は、まず見た目」というような、ハッキリ分かる「外見の美しさ」オシャレにこだわり、大切にする考え方が根底にあり、
その見た目の中に、家も含まれている、という印象です。
とにかく家も「美しく」で、見た目重視。 行動そのまま、「美しくするため」のお掃除。
聞くところによるとイタリアではキッチンそのものがインテリア、という感じだそうで、
日本のお勝手、とはちょっと違うイメージ。
お鍋もお皿もキレイに戸棚の中に収納されている(もちろん中もキレイ)。
キッチンの印象はスッキリシンプルで飾られた美しいインテリアが活きている感じ。
シンクは水滴一つ残さず蛇口もピカピカ。
結局、イタリア人の自分の服と、自分の家の中は「同じなんだな」、と分かります。
オシャレを意識する「自分」というものが、日本では、自分という人間一人なのですが、
見た目を美しくと考える時のイタリア人の中の「自分」には、家の中も含まれる。
家の中を美しくするために掃除をすることが、自分をオシャレに美しくすることに直結している、
掃除も部屋(自分)のインテリアの一つであり、
「美しく(オシャレ)するために、掃除をする」、という感じです。
日本人も、「家の中の状態は自分自身の姿」と言ったりするのですが、それはどちらかというと、「精神(心)的な意味での自分自身」であるのに対し、
イタリア人は、多分、家の中が美しくあることを、「自分のオシャレの一つ」ととらえているような気がする。
「キッチンの外見、そのものを、(服のような)自分自身の外見」ととらえて、部屋の中を美しくしているのではないか、という印象でした。
例えばイタリアの方は、コンロに銀紙をひかない理由など、単純明快に、
簡単「だって美しくないから」、などと答えると以前読んだ記憶があります。
掃除すると、美しくなる。
この因果関係には、日本みたいなワンクッションがない。
原因と結果が直結していて、成果がすぐに見た目で分かります。
パッと見がキレイ、見た瞬間、「あっ、美しい!」と感じるキッチン。
まさに「信用される男は、まず見た目」というような、イタリア人らしい美しさです。
で、たしかに、この番組を見た後、私の掃除のモチベーションは上がり、
(イタリアの家の中のキレイな様子、インテリアを映像で見ると、なぜかイタリアみたいに、キレイにしたいと素直に感じた。)
家はけっこう隅々まで埃が払われ、確実にきれいになりました。
これは、前回記事『お掃除に超便利な、ペンキ用の刷毛』、の刷毛を買って、隅の埃が取れやすくなったというようなテクニック的なことも大きいのですが、
幸せになるためでも運を引き寄せるためでもなく、ただ、キレイにしたい、美しくありたい、と思ったお掃除なら、
本当に「美しくなった」だけのキッチンで、目的達成。 充実した気持ちになります。
「とにかく美しく」にこだわる理由が、「とにかく美しく」なる、という結果として現れるため、
モチベーションもやる気もつきやすく、継続しやすいのかもしれません。
イタリアの家の中は本当に美しくて、(お掃除もインテリアも)
私、個人的には、素敵だと思いました。
日本風の「これをしたら幸せに」…てきな目に見えない世界の話ではなく、
これをしたら美しくなる、という直接理由で、ワンクッション置かない理由づけ。
(精神的な意味ではなく)自分と部屋を直結させ、「美しく」と思うと、けっこう部屋はキレイになっていく。
自分の着る服のオシャレをするような感じです。
単純ですが、この番組を見て私も我が家もキレイにしようというモチベーションとやる気に繋がったので、
イタリア風モチベーションもいいな、と思いました。