家を買う前に知っておいた方がいいこと。 マイホームのローンが、支払えなくなる理由。
夢のマイホーム、という言葉がありますが、
多くの方々が持ちたいと思う自分のお家。
新築、一戸建てでも、ローンの支払いは月々5万円台から、
というようなことも珍しくありません。
どうせ毎月家賃を払っていくなら、借家のアパートより、
自分の物になるマイホームに支払いたい。
金額だって、大差がない。
と思ってマイホームを買い、
でも、途中で支払えなくなって手放す、という方も多くいらっしゃいます。
どのお宅も新しく、キレイ。
というような新興住宅地には、新築の家や、まっさらな土地に混ざって、
築7,8年の中古住宅物件などがよく見られます。
比較的新しく、素敵なお家。
それでも一度誰かが住んだ中古住宅であるため、値段が下がる。
誰もが支払える自信を持ってマイホームを購入したはずなのに、
支払えなくなって売るのはなぜなのか?
ローンの支払いが滞れば、
そのお家を売り、住めなくなってもまだ、残りのローンを支払い続けることに。
マイホームを持ってみて考えつく、その要因を書いてみたいと思います。
マイホームのお値段は、諸経費を含まない建物だけのお値段、
この金額だけで済む、という話ではありません。
また、ローンを組めば、その利息が月に何万もつきますが、それを合わせても月々数万円。
この、見せかけの数字で、マイホームにかかる費用の現実をとらえないようにすることが必要かもしれません。
マイホームを購入したら、建物や土地の売買に関する法律上の手続きなどが必要になり、
多くは、不動産会社や司法書士さんにお願いすることになります。
そして仲介料を不動産会社に数十万円、それとは別に、不動産会社に紹介された司法書士さんに数十万円の支払いが生じたりします。
よく売家のパンフレットや広告が配られたり、ネットで配信されたりしていますが、
熱心に家や土地を見せてくれたり、
何枚も写真をとってネットにアップして配信したり、
丁寧に家を紹介してくれたりするのは、
家の値段の他に、それだけ大きな収入が紹介業者にも入るからということです。
また、銀行にお金を借りるとき、ローンの年数分の火災保険加入が必要になり、
例えば35年ローンだと、35年分の火災保険を一度に支払うことになる。
これが、日常での支払金額の感覚とは、かけ離れたような高額支払いです。
そうこうしているうちに、家とは別に100万円単位のお金が飛ぶように消えていき、
家を買うって、出費が多いな、と思っている間もなく、引っ越し代が飛んでいき、
窓に合うカーテン、椅子、食卓テーブルやソファなどの家に合う家具、
部屋の数に応じた時計、カサ置きからトイレのマットまで備品をすべて買うことになり、
さらに、新築の家を見に来てくれる友人たちのために、食器を揃えたり、座布団を揃えたり、食べ物を揃えたり、と出費は止まらずにつづく。
それに加え、庭に植える植物、手入れをする道具なども購入。
(何も植えていない家ってあまり見ない…。)
庭があるということは、雑草を抜いたり、刈ったりする機械や時間も必要です。
家を買って最初は大変なんだな、と楽観的に考えたいところに、
光熱費の請求書が、みごとに跳ね上がって送られてくる。
足を伸ばせるお風呂ってことは、その分、水道料金がかかるということ。
それを沸かす光熱費もかかるということ。
天井がアパートより高いということは、それを温めたり、涼しくしたりする光熱費がかかるということ。
今までより多くなった部屋、広くなった居住空間分、暖房費も冷房代も多くかかり、
それまでの水道代や光熱費代の金額とは全く違ったものになる。
考えてみれば3部屋から6部屋になった時点で、2倍になったということですし、
(ケタ違いの場合も。)
(毎月)
部屋数が増えたことで、子供たちは夜、それぞれの部屋で電気を使い、掃除機をかけ、別個に暖房を使う認識が必要です。
そして追い打ちをかけるようにやってくる、固定資産税、都市計画税。
(毎年)
毎月のローンの支払いとは全く違った金額の、持ち家に関する支出の現実を自覚したところで、
新築から十年以上たったら、ペンキなどの家の塗り替えが必要なことを頭に入れておきましょう。
(高額ですが、しなければ家が傷み、さらに修繕費がかかることになると思います。)
その他にも、よく家電製品の寿命は7,8年などと聞きますが、
そんな出費もありますし、例えば水道の蛇口一つ調子が悪くなっても、
一戸建てはアパートなどの一般的な物とは仕様が違い、シャワーのついている蛇口だったり、一戸建て用の今風のものであればあるほど、取り替え交換部品の値段はもちろん、修理代も高くなります。
玄関のドアや鍵も、アパートの簡単な感じの物とは違うことが多いので、
一戸建て仕様に作られている部品パーツ、一つをとっても、
予備品や補修代などは高い感じです。
ああもう、お腹いっぱいというところですが、
実はさらにまだ続きます。
子供を伸び伸び育てたい、と思って購入した我が家、という場合、
多くのご家庭で、子供の教育費の増えていく年齢に突入。
幼稚園、小学校までそれほど感じなかった習い事、学校でかかる費用が、
年齢を上がるにつれ増えていき、
新たに始めたスポーツや、塾などのお金が増えます。
その他に、
ゲーム代、スケボー、自転車、服代、スポーツ用品代、遊園地代、交通費など全てが高額になっていくうえ、
スマホが欲しいと言い出す。
塾代、合宿、旅行など、数万単位での支出も増えるのを覚悟。
子供の送り迎えに車が欲しくなり、我が家に二台目の軽自動車、
その車代、燃料費、車検代、保険代というような負担も増えます。
我が家は、ローンの支払いができなくなるということはありませんでしたが、
私自身、マイホーム購入についての知識が全くなく、
(すべて主人まかせ。)
(ローンが支払えなくなる方が多いこともしらないくらい無知でした。)
マイホームを買ってみて初めて、
新興住宅地には、比較的新しくキレイな中古住宅がよく売りに出されていること、
はじめに聞いたマイホームの値段の印象と、現実に支払いが必要な金額が大きく違うことに驚きました。
会社が傾いたり、仕事が上手くいかなくなったりせず、
予定通りのお給料をもらい続けていても、家のローンを途中で支払えなくなる方は多くいらっしゃるそうです。
専業主婦だった奥さんが、正社員で働いて共働きしても足りず、
家を売ったという話も聞きました。
マイホームを買われる計画のある方には、もしかしたら参考になる話かもしれません。